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フラグたちの憂鬱 佐々木「苦労したよ、本当に苦労してやっとフラグを立てることができた……」 佐々木フラグが立った! しかしキョンの特殊能力「フラグキャンセル」が無意識に発動した! フラグは木っ端微塵に砕け散ってしまった! 佐々木「……泣いてもいいかな」
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「記念日」 珍しく早く終わった学校からの帰り道、偶然にも出会ったキョンと彼の自宅の前で四方山話 をしていたら、彼の母君に発見された。「あら、お久しぶり」「ご無沙汰しています」なんて挨拶 もそこそこに彼の自宅を訪問することになった。嬉しい誤算だった。そのまま居間に通されて、 お茶とお菓子をご馳走になる。お茶のお供は私の現況についてが挨拶程度、メインは彼の 一年次の学業成績に関する愚痴、私の入っている予備校について聞かれたので、さりげなく 勧めておく。おやおや涼宮さん、キョンの夏休みの予定に夏期講習が入ってしまうのも、これ は時間の問題だね。 そうこうしているうちに、彼が迎えに来た自身の部屋の片づけが終わったということらしい。 名残惜しげに、しかしきっぱりと座を辞す。別に、この家の居間には用はない。制服から部 屋着に着替えた彼の先導に従って、部屋へと入る。 あ~~、やっぱり。この部屋にはキョンの匂いがするぅ。なんか、彼に抱きしめられている みたいだなあ、思わず頬が緩んでしまう。 「俺に部屋に面白いもんなんかないぞ。散らかっているしな。ま、その辺にでも座っててくれ」 そう言って、彼は自身の勉強机の方を手のひらで差した。キョンのこういったちょっとした 育ちのよさを感じるたびに彼が両親に愛されているのだな、と感じる。普通のことかもしれ ないが、それが普遍的といえるほど、“普通”ではないことに、すでに私は気がついていた。 高校生ともなれば、各々の人生によって、生き方にそれなりに違いが出てくるものなのだ。 とりあえず、勉強机の回転椅子に座って、くるりと周りを見回してみる。掛けてあるカレン ダーや、何かのピンナップが変わっているくらいで、私の記憶の中にある1年と数ヶ月前の 彼の部屋とほとんど変化はなかった。 「何やってんだ」 キャビネットからハンガーを取り出しながら、彼が聞く。 「いや、なに。大したことではないのだが、キミの視界を確かめているのさ。この机に着いて いるキミがどんな風景を見ているのだろうか、ちょっとそれが知りたくてね」 一体それにどんな意味があるのか、そう問いたげな彼の表情を見て、言葉をつなぐ。 「物事を観察する時は観察対象の目線に立ってするものさ、友人であるキミがどんな風に世界 を見ているのか、それは僕の興味を大いに掻き立てる」 ふっと彼が表情をゆるめる。自然な微笑。私が好きな彼の表情のひとつだ。返すように笑っ てみせる。水泡が弾けるようにくっくっと咽が音を立てる。この笑い方をイヤらしいと言って 嫌う人もいるが、彼はそのような狭量な人物でもない。逆に、どうやら、そんな私の笑みを彼 は気に入っているようだった。だから、彼の前では私は普段の3割り増しくらいに笑ってみせ ることにしている。 「制服にシワが付いちゃうだろ、ハンガー使うか?」 彼がそう言って、ハンガーを差し出す。 「ありがたく使わせてもらうよ。ふむ、大分、気が利くようになったじゃないか、涼宮さんの 影響かな」 苦いモノでも食わされたかのように彼の顔が歪む。私が好きな彼の表情のもうひとつ。 「別に、アイツがどうとかは関係ないさ、俺も成長してるってことだ」 手にしたままのハンガーで拍子を取りながら、説明するかのようにいう。 なんだ、当たりなのか。気分、悪いな。 椅子から立ち上がり、ハンガーを受け取って、制服の上着を掛ける。さりげなく、背中を向 けて。背中から足にかけての身体の線は我ながら、好きなパーツのひとつなのだ。 振り返り、上着を彼に預けながら、話題を転換する。 「それでは、気の利くキミに質問だ、ゲストを部屋に上げてもてなそうというのだ。ホストの キミは何をするべきなのかな? 僕としては、コーヒーの一杯も飲みたい気分なのだがね」 さっきまで飲んでただろ、彼はそう言いながら、私の上着を部屋の梁、彼の制服が掛けられ たハンガーの横に掛ける。あ、なんかちょっとそれはいい風景だ、いい風景だぞキョン。 「さっきまで頂いていたのは緑茶だよ、キョン。居間という僕にとってはパブリックな場所で、 キミの母上という僕にとっても重要な人物の前で、いただくお茶と、キミのプライベート空間 で、キミと一緒にいただくお茶では、自ずから意味を変える。お茶をいただくと言う行為が意 味する事柄については今更、キミに講義をするまでもないだろうが、話の接ぎ穂あるいは放 課後のちょっとした空腹を満たすためにも、僕はそれを必要としているのさ。畢竟キミだから こそ、本音を言うなら、食べそびれた茶菓子が惜しいという所かな」 もちろん、こんな食い意地の張った発言が私の本意な訳もない。 「ウチはいつから喫茶店になったんだ」なんて言いながらも彼は席を立った。去り際に 「家捜しはするな」と厳命するのも忘れない。手をひらひらと動かして返答の代わりとする。 扉が閉じる。 作戦開始、作戦可能時間は約三分、それ以上は危険だ。部屋を見回す。 ベッド、彼の枕に顔を埋めて、再び彼の匂いに包まれるという妄想を抱く。ひ、非常に魅力 的な提案だなあ、それは。頭を振って誘惑に耐える。そんなことをしたら、彼の前で彼の知っ ている親友である佐々木の仮面を被るのに苦労しそうな予感がある。 想像してみた……あ~~ダメだ、やはり、それは。自分がぐにゃぐにゃになってしまうだろ う確信がある。マタタビを与えられた猫でもこうはなるまいというレベルで。 本棚、受験生だったあの頃、書架の一部を占めていた参考書や問題集がことごとくなくなり、 マンガや小説の類が増えている。彼は別に読書家というわけではない。だから、まぁこんな モノだろう。水着の女性が映った写真集や高校生男子であるなら、もっているであろう、アレ やナニやコレは見あたらない。まぁ彼も小学校高学年の妹を持つ身だ。そのようなアイテムを 堂々と本棚に置いたりはしまい。 勉強机、やはりこれが今回の最重要攻略対象だろう、いわば敵陣の本丸。引き出しは上中下段 の3段、セオリー通り、引き出しは下から捜索する。下段、なんだかいろいろ突っ込まれている。 お、小テスト発見、おいおいキョン、我が親友よ、この成績はどうかと思うぞ。ゴミとそうで ないものをより分けるのは困難と判断し、中段へ。中段には何かの雑誌にでも付いてきたのか、 携帯ストラップやらカンバッヂやらが散乱していた。もしかしたら、小学生時代の宝箱なのかも しれない。綺麗な小石がいくつか、小学生の頃、男子の間で流行っていた、ポケ●ンやら遊● 王やらのカード類、どこかのレンタルビデオ屋の会員証、確かこの店はとうにつぶれてしまった はずだ。中段は最近手が触れられていないと判断、上段へ。鍵が掛かっている……やはり、ね。 ここが秘密の小部屋というわけだ。ヘヤピンを取り出し、1、2の3。ほら開いた。こんな 鍵でプライバシーなど保護できない。元来、学習机の錠前は、プライバシーを守るために存在 しているわけではない、“これはプライバシーだから見てはいけません”と周囲に宣言し、 “鍵を掛けているから大丈夫”と、自身が安心するためにあるのだ。私のように他人のプライ バシーに土足で乗り込むということを認識している人間には何の意味ももたない、などと罪悪 感を誤魔化す韜晦を行なってから、引き出しを引く。 目に付いたのは写真とDVDのディスクが数枚。ディスクには“SOS団活動記録”あるい は、『朝比奈ミクルの冒険 episode0』、『長門ユキの逆襲 episode0~予告編~』などとタ イトルがサインペンで書き込まれている。これが彼らSOS団が北高の文化祭で上演した映画で あることは想像に難くない。見たかったが、今はその時間はない、残念だ。後で、鑑賞させて もらう方向に会話をうまく進行させることを誓う。 写真は、デジカメのプリントアウトなのだろう。写真用のプリント紙、あるいは単なる上質 紙にプリントアウトされているものもある。SOS団の活動スナップ写真というところか、夏期 合宿だろうか、キョンの水着写真もあった。 キョンの水着……、ふふ、中学時代の水泳の授業を思い出す。キョンの体つきはその思い出 より幾分かがっしりしていた。胸板の当たりとか…うう、なんか恥ずかしいな。きゃー、頭の 中で、狂喜乱舞するもうひとりの私。い、一枚くらい持って行っても、大丈夫なんじゃないか な。悪魔が囁く。いけない。そんなことをして私の犯行が露見したらどうするつもりだ。それ にもうすぐ彼が戻る。深呼吸しろ、落ち着け。 すうぅぅ、ああ、キョンの香りが胸一杯に……。はっ、いけない、いけない、陶酔している 場合ではない。やばい、オメガやばい、これ以上、この中を見ていたら、どうにかなってしま いそうだ。逡巡しつつ引き出しを元通りにする。ヘアピンを取り出し、1、2の3、はい、元通り。 や~~、想像以上の目の保養だった。これで、あと半年は戦っていけるだろう、現実と。 ようやく息と心が落ち着いたので、顔を上げたら、壁に掛かったカレンダーが目に入った。 なんだろう、違和感がある。 その時、「おい、ちょっとドア開けてくれ」そんな彼の声が耳に入った。 コーヒーと、お茶菓子を乗せた盆を持った彼が戻ってきたのだ。ドアを開けて、彼を迎え入 れる。机に盆を置くであろうから、部屋に入ってきた彼を自然に避けるようにして、ベッドに 腰掛けた。彼はそのまま椅子に座った。パーフェクトな動きだよ、私。賞賛した、心の中で。 座ったベットからは彼の匂いがした。あ、やっばい、ちょっとイイかも。目がとろんとしてい るのが、自分でも分かる。お酒を飲んだ後のようだ。 「ん、どうした、佐々木、大丈夫か」 彼の声で覚醒した。かぶりを振って、大丈夫と告げて、コーヒーカップを受け取る。そのま ましばらく茶飲み話に興じた。満を持して、最近見た映画の話をする。ハリウッド産のメジャー な映画だし、彼も話しに乗ってくれた。 「そういえば、キョン。あの、SOS団で、文化祭に出展するために映画を撮影したそうだけど、 ひとつ僕にも鑑賞させて貰えないかな。キミは撮影スタッフだったそうだし、DVDのディスク くらいはもっているだろう?」 と、切り出した。自主製作映画の話を振られて、キョンは何とも恥ずかしい、そんな素振り をした。ちょっと可愛いかも。 「あ、ん~~、まぁすでに公開したものだしな、佐々木に国木田の演技や、主演の朝比奈さん の愛らしさを喧伝するのはやぶさかではないのだが、残念ながら、いま、手元にないんだ。 高校の友達に貸しててな。しかし、そんなイイ出来じゃないぜ。まぁ見たいのなら、今度ダビ ングしておくよ、恥ずかしいけどな」 嘘だ!! キョン、どうしてそんな嘘を吐くの。私がナニも知らないとでも思っているのだろうか、 でもそんなことを告げたら、彼の引き出しを盗み見ていたことがばれる。それはよろしくない。 だけど、悔しい。悲しい気持ちが心に満ちる、このことは僕の心の帳面にきっちりと記録させ てもらうよ、キョン。 「そ、それは残念だ。非常に残念だよ、でもダビングしてくれるというのは嬉しいね。もちろ ん、ディスク代は支払うので、都合のよい時にでもよろしく頼むよ」 まぁ、キョンとまた逢えるのなら、それはそれでいい。 飲み終えたコーヒーカップを盆に戻す。その時、壁に掛かったカレンダーが目に入った、 さっきの違和感が頭をもたげた。 「そうだ。さっきから気になっていたのだが、カレンダーの4月の初旬に赤い丸印がついてい るね。キョン、差し支えなければ教えて欲しい。この丸印は何の意味があるのかね?」 それはぽつんと、4月の日々の中にあって、特別な日であることを誇示していた。私の記憶 が確かならば、特に何の記念日でもないはずだ。もちろん、世の中にはポニーテールの日のよ うなあまり知られていない記念日が大量にあって、それらをすべて几帳面に記せば、その日も なんらかの記念日であることは想像に難くない、ないが、キョンはそのような几帳面な人物で はない。うっかりすれば、自分の誕生日であっても、スルーしてしまうようなそんな人間なのだ。 「ん、あ~~これか~~」 その時、キョンは私の見たことのない表情を見せた。恥ずかしそうな、誇れるような、嬉し いような、懐かしいような、そんな顔を見せた。 「ん~~、キミの誕生日ではないよね、妹さんのものでもないはずだ。ご家族の何かの記念日 ……というわけでもないようだね。ふむ、始業式の頃だね……これは推理のしがいがあるぞ……」 あ、ひとつ思い当たってしまった。いや、でもさすがに、それはロマンチックに過ぎるとい うものだよね、キョン。 「いやあ、そんなに大したものじゃない。だけど、俺にとっては忘れられない日なんだ。忘れ たくない、決して」 穏やかな顔で彼はそう言った。むむ、確かに、そう確かに“僕にとっても”そうだよ、 キョン。忘れられない、忘れてはいけない日だ。ああ、私はは幸せよ、幸せだよ、こういう気 持ちを共有できる相手に出会えるって、なんて人生はすばらしいんだろう。バラ色の人生って こういう気分のことをいうのだね、きっとそうだ。 「……そ、それは、その日は……僕らが再会し、僕ら間の友誼が再開した日だね」 キョンがまじまじと私を見た。ぽん、と膝を叩く。ん? 膝を叩く? 「あ、ああ、そうだったな」 彼はそういえばそうだったと言わんばかりに木訥に答えた。 あ~~、そう、そうですか、あ~~、私は本当に学習しないな。中学時代、何度、こんな目 に遭ったと思っているんだ。そうだ、感情はノイズ、人生を穏やかに過ごすために、そんな モノは不要なのだ。そんな風に、初恋の相手に恋のなんたるかも知らないままに力説した。 そんな、中学時代の幼い自分が憎い、憎すぎる。脱力して、私はそのままベットに倒れた。 ああ、キョンの匂いがするよお。かりそめの幸せに酔うしかないそんな私なのだった。
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どんな便利なツールも、使う人によっては大変な事になる。昨今流行りのTwitterや、Facebookもそうだ。 「ま、情報発信なんて誰がやってもつまらないものだし、著名人でもない限りは注目もされないんだけどね。」 「そういう奴に限って、大炎上するんだよ。」 たまたまキョンの家にいた佐々木。キョンがお茶を取りに行っていた時にやった茶気であった。 肩をはだけ、シーツで隠し、一見半裸でベッドに横たわり、写メを撮る。 「ふむ。良い出来だね。」 Twitterに情報発信してみる。 「キミのベッドなう、と。……くっくっ。」 どうせリプする人間なんて橘位なものだし、橘が詰め寄ったところで、橘を御するなど、赤子の手を捻るより容易い。 キョンはTwitterはやらないし、肩をはだけさせた程度の写メなどエロくもなにもない。それに、よく見ればきちんと服を着ている事もわかる写メだ。 『sasaki@k キミのベッドなう』 こうした軽い気持ちでの投稿。 きっと、炎上かました人間も同じく軽いきもだったのだろう。冷蔵庫に入ったり女性器を晒したりするのは、流石に狂気の沙汰だが。狂気の沙汰程面白いという人間もいるが、狂気の沙汰が面白いというよりは、自分に酔うから楽しいのだろう。 佐々木にしても、その場は楽しかった。 キョンが気付かない状態で、キョンのベッドの中にいる非日常。そして彼の知る由もない所での情報発信。知らない人が見たら、まず誤解するであろう絵面と文面。 そんな事もすっかり忘れ、Twitterに飽きて色々な事を忘れかけていた時。往々にしてそんなものだが、天災は忘れた頃にやって来る。 そして。その天災は、最大級の災厄となり降り注ぐものだ。発信した人間でなく、発信された方に。 「我がSOS団も、Twitterを始めたいと思います。」 ハルヒが皆の前で宣言をする。 「アホらしい。情報発信の為のツールでじを集める積もりか。第一、佐々木にしてもTwitterやっていたが今ではすっかり飽きて、アカウントのみある状態だぞ。 アカウントは知っているが、ROMした事もリプした事もないがな。」 ハルヒは思い切り鼻白むと、パソコンからTwitterのアカウントを取得する。 「…お前の携帯からでいいだろ。」 「あたしはアカウント持ってるから。」 意外な言葉に、キョンが目を丸くする。 「意外な。お前が情報発信していたのか?」 「うるさいわね!そんな事どうでもいいじゃない!アカウントは教えないわよ!」 古泉あたりに聞けば、すぐにアカウントの目星はつくのだろうが。キョンは佐々木のアカウントを教えると、皆からジュースを買いに行かされ…席を外した。 因みに。ハルヒのTwitter。 『harunyan@k 今日もまた便所飯なう。』 など、ネガティブ極まりなく…とてもお見せ出来る代物ではなかった。古泉にしても長門にしても、リプする事は避けており…単なる日々の毒吐きツールと化しているのであった…。 「やあ、親友。」 「よう、佐々木。」 コンビニには佐々木がいた。 「Twitterかい?最初は楽しかったが、すっかり御無沙汰だなぁ。」 コンビニの外でジュースを飲み、雑談をする。 「情報発信と収集は、やはり違うよ。情報発信にしてもネタがないし、存外収集は退屈なものだ。」 「お前の場合だと、リプが少ないというよりは収集するにしてもあまり意味がない、と感じていそうだな。」 「まぁね。何処かの誰かがTwitterやるなら、復帰も吝かでないが。Twitterにしてもものぐさには向かないツールだからねぇ。」 佐々木はジュースを飲み干すと 「じゃあまた、親友。」 と言い、去って行った。 「Twitterねぇ。俺もやってみるかなぁ…」 そんな事を考えつつ、コンビニスイーツを片手に団室に戻ると…古泉の姿が無かった。 「ん?古泉はどうした?」 「帰った。アルバイトだって。」 折角古泉の好きな、レアチーズケーキのバータイプも買ったのにな、とキョンは古泉のお菓子を冷蔵庫に入れる。 長門にプチシューの山盛り、みくるにゼロカロリーのゼリー、ハルヒにエクレアを渡し、すっかり冷めてしまったお茶を片手に一息つく。 「なぁ、ハルヒ。Twitterのアカウント取得って直ぐに出来るものか?」 「一分もあれば出来るわよ。」 何故か冷たさを感じるハルヒの声。長門もみくるも、何故かパソコンの前にいる。 「ねえ、キョン倫理的衛生的な意味で入っちゃいけないとこに入り込んで、写真撮ってネットで公開してる子がいるんだけど、どう思うかしら?」 「やってみたかったんだろ。ほっとけって。」 代わりのお茶が欲しいな、と思いつつ、キョンは携帯を開きTwitterのアカウントを取得する。kyonというハンドルネームは使用済みのようで、@マークを使い次に何を入れるかを考えていると… 「なるほど。やってみたかった、ね……。で、あんたはやっちゃったわけね……」 ハルヒ、長門がキョンに迫る。みくるが二人を止めようとしたが、抵抗は紙以下であった。 「こんのエロキョンがぁーッ!」 …佐々木が誤解を解くまで、キョンは虫ケラ以下の扱いを受け、古泉は過労死寸前、長門はキョンの監視を強め、刺々しい空気に病んだみくるは、カラになったポットからお湯を出そうとし続けたという…。 「…本当に何も無かったのよね?佐々木さん?」 「さぁね。あなたがそう思うなら、きっとそれが正しいわよ。…あなたの中では。」 「佐々木○○を敵性と断定…」 和かに不穏な会話を続ける三人に、古泉は胃を押さえ、みくるは失神しかけ、キョンは溜息をつくばかりであった…。 どんなに便利なツールでも、運用するのは人間。人間だけに誤解もあれば誤用もある。 「「「もう勘弁してくれ(下さい)!」」」 三人の心の叫びが届く事は、多分ない。 END ネタ元 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | ねえ、キョン | | 倫理的衛生的な意味で入っちゃいけないとこに入り込んで、 .| | 写真撮ってネットで公開してる子がいるんだけど/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | どう思うかしら? | やってみたかったんだろ | \______________ _____| ほっといてやれって |マチガイナイデスヨネ? マチガイナク アノヘヤ |/ \___ _______/ . -‐- , -‐―‐- 、 コイズミクン ナラ \| ,.ィ'i^i^i`r、 〃# ヾ. /r#/ニニヾ バイト イッタワヨ ,. ‐-ー- 、 . ,レ'#'"~~` ヽ ! |ノiノハ从ハヽ ハ芥.lノメ从从l't _____ ____ ノ / ヽ ! ((八从リ))).i (| |┰ ┰iイ i l (| | ┃ へ!|. ||\. .\ |◎| . ノハハハハハ ! |(| | ┃ ー| !! 'ハリ、 - ノリ .i从リ、''' ワ''ノ! .|| | ̄ ̄| |:[] . !|─ ─ ,iリ)! ノリ.ハ.''' ヮ''ノハ .<} |{H}l i〉 ┌/'{´フづilつ__|| / ̄ ̄/ !=| ’ 、 - ,ノル´. (.(.(.(リ(`x'゙)' リ . くソ_i_li;ゝ.... |く/_j_,i_|二二二」二二二二二二」 . 〈i゙|†'|´{' .. くfi_j},ゝ (__i_)  ̄]||ヽ_フ/| | | | | | | i´T `i`. (__j__) .◎⌒◎⌒/ | [___|_|. [___|_| 〈_,八__〉 ________________/ |│i──────────────── ┐|│| ┌─ ┐ || . // | ||│| キミのベッドなう。. | │|,______..| ||│|∧ , -‐- 、.三| └───┘ __||│| x゚) . ,'. / ト、 ヽ ,ィ' ||│|/| /.i. ((从ソ 从〉_ ,._ ___ __ ____〈 i_i_i_||│| l./. l. (|┳ <i!l,ノ´,; , , ||│| 「| /ハNiヘ '' ヮ''ノハ!, ,, , ||│| |.l/,,,_ _ M/´ン´とン",, ` ` 、 ゞ / .||│| |.| (r_)/ , ,゙ - -- - -- ー「| ,r'..||│| |」 ̄ ̄ ̄' んyv--ー~~ー~ーー''^|」´. |||────────────────‐┘|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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次の日。 「それは中々愉快なことだね」 昨夜の中河の電話のことを俺から聞いた佐々木は、くっくっくっと笑った。 「朝倉さんに一目惚れした挙句、君にキューピット役を頼んでくるとは」 キューピット役じゃないな。どちらかといえば、伝書鳩だろうな。 「まあ、確かに朝倉さんは美人だし、性格も良いから男性の目を引くのはよくわかるけどね。中河君が一目 惚れしたのは意外だったな。そんなタイプじゃなさそうだけどね」 本人もそう言っていたな。あいつは宗旨替えしたそうだ。 「何事も経験、ということか」 そのとおりだな。 「で、キョン。君はどうするつもりだい?」 放課後、学園祭の打ち合わせで、文芸部の部員全員部室に集まり(何故か喜緑さんも来てくれた。最近よく 手伝ってくれるのである。さすが長門と朝倉の先輩である)、準備をすることになった。 「朝倉」 文芸部誌の印刷に関しての試算を行っている朝倉に俺は声をかけた。 「どうしたの、キョン君?」 朝倉は作業の手を止めて俺を見る。 「実はちょっと話があるんだが・・・・・・」 俺は少し声を潜めて部室内を見回す。 皆、それぞれ分担して受け持った作業を行っている。 「ちょっとここじゃ何なんで、外で話そう」 「え、あたしに?」 俺の話を聞いて、朝倉はびっくりした様子だった。 「ああ。中学の時の俺と佐々木のクラスメートなんだが、朝倉に一目ぼれしたそうだ。何でも春先ぐらい には見かけていたそうなんだが、声をかけられなくて、つい三日前に俺たちと一緒にいるところを見かけて 俺を頼ってきたわけだ。直接会うのも考えていたらしいが、お前が驚くだろうし失礼になるかもしれない、 てことで、俺に伝言を託けたわけなんだ」 中河はあいつなりにいろいろ考えていたらしい。猪突猛進型かと思ったが、まずは俺という緩衝材を介して 朝倉に接触しようと考えたようだ。 「いきなりで驚くかもしれないが、返事はすぐにじゃなくていいそうだ。ただ、一度話をしてみたいと言っ ていた。もちろん朝倉がよければの話だが」 正直言って、俺は朝倉がこの話を承諾するとは思えなかった。だから、昨夜中河に一言言ってはおいた。 「う~ん、そうねえ・・・・・・どうしようかな、一度会ってみようかしら」 ・・・・・・意外な答えが帰ってきた。 「そこまで思ってくれるなんて、少し嬉しいかな。それにキョン君の話を聞いている限り、悪い人じゃなさ そうだし」 悪い奴じゃない。そんなに話をしていたわけじゃないが、中々真面目なところがあったな。運動部で頑張っ ていたし、教師にもクラスメ-トにも受けはよかった。 「学園祭の準備で忙しいけど、時間があれば、一度会いましょうと伝えてくれる?」 それはもちろん引き受ける。俺の脳裏に飛び上がって万歳する中河の姿が浮かぶ。 「良かったわね、涼子ちゃん」 ・・・・・・何で、あなたがここに居るんですか、喜緑さん、それに長門も。 「ちょっと気になったんで付いて来てみたの」 ひょっとして、話をぜんぶ聞いていました? 「ええ。最初から全部」 俺は頭を抱えた。朝倉に気を使って部室の外で話したのだが、全く無駄に終わった。 「での、なかなか涼子ちゃんに声をかける男子がいなかったんで、いい機会だと思うわ」 これは意外なことだった。朝倉は美人だし、面倒見がいいんで、競争率は激しそうだと思っていたんだが。 「そう思って逆に声をかけづらいの」 なるほどね。 俺が納得したように頷くと、喜緑さんはクスクスと口元を抑えて笑った。 朝倉の方を見ると、こちらは顔を真っ赤にしていた。 日曜日の秋晴れの澄んだ空の下で、俺は人を待っていた。 時計の針は午前11時半。ちょうどいい具合だ。 「待たせたな、キョン」 久しぶりに見る中河は、中学時代よりさらに体格が良くなったような気がする。 「大して待ってはいないさ。時間通りだな、中河」 「当たり前だ。お前から電話をもらってからというもの、俺はこの日を来るのを今か今かと待っていたのだ。 そんな大事な日に遅れるわけには絶対にいかんのだ」 朝倉から会ってみてもいい、との返事をもらった日の夜に、俺は中河に連絡を入れ、その言葉を伝えた。 電話口の向こうで、中河の雄叫びが聞こえ、しばらくは興奮状態が続いた。 落ち着いた後、とりあえず中河の予定を聞き出し、いったん電話を切り、その後朝倉に連絡して会う段取りを 決めたあと、再度中河に連絡をした。 「ありがとう、キョン。お前には感謝してもしきれない。なんとお礼を言ったらいいか・・・・・・」 「ただ、中河。俺が出来るのはここまでだ。朝倉がお前の申し出を受けるかどうかは、お前の行動次第だ」 「それは十分承知している。俺も男だ。断られる可能性もあるのは解っている。ただ、やらないで後悔するより やってみて、その結果が自分の望むものでなくても、そっちの方が百倍マシだ」 なかなかいいこと言うじゃないか。挑戦する気概を持つ人間は俺は好きである。 あ、それともう一つ伝えなければいけないことがあった。 それは朝倉が中河と会うときの条件として、俺に頼み込んできたものだった。 「お待たせ、キョン」 俺達より遅れること3分、待ち合わせ場所に来たのは、佐々木と朝倉だった。 朝倉の出した条件、それは中河と会う場所に、俺と佐々木が一緒に付いてくる事だった。 中河にその条件を伝えた時、むしろ俺が頼みたかったことだ、是非一緒に来てくれ、と頼み込まれた。 佐々木に連絡を取ると、佐々木はすぐに承諾して、俺達は同伴することになったのだ。 「初めまして、自分は中河と言います!」 直立不動で朝倉に向かって挨拶をした後、中河は深々とお辞儀をした。 「朝倉涼子です。初めまして」 朝倉は微笑んで、中河に返事する。 この笑顔を見て、中河の心は完全に朝倉に囚われたようである。 喜緑さんがおすすめだと朝倉に教えてくれた洋食店に、昼食を兼ねて行くことにした。 この店は女性客が多い、おしゃれな感じの店で俺や中河が入るのは場違いのような気がしたが、佐々木と朝倉が いるから、まあ、いいだろう。 中河は最初はかなり緊張していたが、朝倉がうまく気を使って話しかけてくれたおかげで、気もほぐれたようで 店に入る頃にはかなり普段通りしゃべれるようになっていた。 「まあ、今の状態なら二人だけでもいいと思うよ」 俺と佐々木は、朝倉たちとは別の、離れた席に座った。 「朝倉さんがうまく中河君の気持ちを解してくれたから、あとは二人で話させればいいよ」 確かに佐々木の言うとおりだ。俺たち二人は言うなれば、中河と朝倉の見合いの仲人みたいなもので、話が弾めば あとは二人だけで話せばいい。 俺達はランチメニューに目を通す。 「これとこれ、美味しそうだね。キョン、いつものように違うものを頼んで、半分ずつ交換しようか」 それがいいな。よし、頼むか。 テ-ブルの上にある、従業員を呼ぶボタンを押す。 ・・・・・・何であなたがここにいるんですか。 俺たちの席に注文を取りに来たのは、誰であろう、この店がお薦めだと言っていた、喜緑さんその人である。 「この店は私の親戚が経営しているの。今日頼み込んで一日バイトしているの」 朝倉のことが気になったからですか? 「その通り。涼子ちゃんのことが少し心配になって」 多分大丈夫ですよ・・・・・・ところで、注文いいですか? 「ええ、どうぞ。お客様、何になされますか?」 食事をしたあと、中河と朝倉はお互いの電話番号を交換していた。 「今日はありがとうございました!」 中河は朝倉に最初に会った時と同じように、深々と頭を下げた。 「こちらこそ。中河さんて、とても面白い人ですね」 どうやら、第一段階はうまくいったようである。 俺は少しほっとした気分になった。 とりあえず、今日のところは二人の顔を合わせるのが目的だったので、俺と佐々木は朝倉と中河と別れ、遊びに出か けることにした。 百貨店やファッションビルは既に冬物の取り扱いが本格的に始まっていた。学園祭が終われば、冬はもうすぐそこに 来るのだ。 「これはいいな」 俺が目を付けたのは、厳しい寒さも防げそうな白いポンチョだった。 試しに佐々木に着せてみたのだが実によく似合っていた。帽子がついていて、それをかぶって立つ姿は、冬の妖精を 思わせる。佐々木もとても気に入ったようだ。 ただし、値札を見ると、一万八千円と記されていた。 「ちょっと高いね」 残念そうに佐々木はため息をつく。 クリスマス前までに、俺はバイトを少し増やす決心をした。 その日の夜。 今日はいろいろあったな。わたしに交際を申し込みたいと言ってきた中河君。 どんな人かと思っていたけど、強そうな、熊みたいな外見と違って、とても緊張していて少しおかしかった。 ただ、彼の気持ちはよく伝わってきた。 人を好きになる、あるいは思いを寄せられる。それはとても心地よいものだった。 とりあえず、今日は電話番号を交換した。その時、彼は「迷惑でなければ、朝倉さんが都合にいいときにまたお話したい のですが」と言った。礼儀正しい人だ。 正直なところ、まだ、彼と付き合うかどうかはまだわからない。わたし自身に戸惑いもある。彼のこともまだ、すべてを 把握したわけじゃない。、 喜緑先輩(あの洋食屋にいるなんて思わなかった!)、がいつも言っているけど、人と付き合うときは、相手のことをしっかり 見ていいところも悪いところも見極めなさい、それは大事なことよ、と。 ただ、また会ってみてもいいかなとは思っている。 わたしと彼がこの先、そうキョン君と佐々木さんのような仲になるのか、それとも友達、あるいは他人のままか、どうなる のか――― 少し楽しみが増えたかな。そんな風に私は思った。
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それは、しばらく続いた初夏のような奇妙な暖かさが、唐突に寒気に換気され摩り替わったような 五月の頭のある日の事だったか。 「どうかしたか佐々木?」 「ん? ああ」 何気なく。 ふと、本当に何気ない仕草で佐々木が頷いたような気がしたから飛び出した一言だったが どうやらそれは正解だったようだ。 佐々木は少しだけ表情を緩めると、手にした文庫本をぱたりとコタツの上に置き、細い指をくるりと回す。 何となく身構え、俺もコタツに入れた足を緊張させたが、次の言葉は緊張感のかけらもない なんとも旨そうな一言だった。 「キョン。今夜は一つ、土鍋でトリとキノコの炊き込みご飯なんてどうだい?」 くくっと喉奥を震わせ、我がルームシェアメイトは笑う。 「保温力抜群の土鍋をだ、二人よそい合おうじゃないか。親友」 「ほう。そいつはいいな」 今日はちと肌寒いし丁度良いな。 「そうかい」 俺が何気なく返した一言に、いつものように佐々木が喉奥を震わせた。 いつものように、楽しげに佐々木が笑う。 「そうかそうか。正解だったね」 「何がだ?」 俺が条件反射で返した問いに、条件反射の笑顔が返ってくる。 ニヤリと口端を軽く持ち上げた佐々木独特の微笑み。 「いやね。ここ最近ご無沙汰だったくせに、今日のキミは随分コタツと仲良しだなあと思ってね…」 「言ってろ」 言われて気付いた。 暑けりゃフローリングの床の上、寒けりゃコタツ布団に足を入れ、シャミセンか俺は。 そんな寒暖が安定しない五月のある日の出来事。 )終わり 「噛み締めるとジューシィなシイタケ、プリプリした歯ごたえのエリンギがだね」 「キノコから染み出たダシに鶏肉がコクを加えてだな」 「それを醤油ダシが香ばしくまとめる訳だよキョン」 「染み渡った飯粒も忘れるなよ」 「おこげもだ」 「「・・・・たまらんな(ね)」」 二人で顔を見合わせ、いそいそと身支度をする。 エリンギが足りんからな。 「待たせてしまったね」 「おい、そんな薄着で大丈夫か?」 コートを羽織り一足先に自転車にまたがっていた俺に、小走りに寄ってきた佐々木は ここ数日の暖かさに対応した服装としか言いようのない格好だった。 が。 「くっくっく。心配ないさ」 「おい」 耳元にほのかに甘い吐息を届けつつ、背中いっぱいに広がる柔らかい感触。 「僕にはとっておき人間カイロがあるからね」 「左様か」 ごまかすようにペダルを蹴ると、また一層強く背中に佐々木が密着する。 いつか中学時代のような、手を添えるだけの体勢ではない 紙の一枚も通らないような密着した体勢。 密着した背中に視線を感じる。 あいつの視線を感じて、視線の意味を探して 見られて、見られている事を感じて、そうやっていつしか変わった二人の関係。 友達、親友、一歩一歩近付いてゆく当たり前のプロセスを経て 当たり前に重なった関係。 「佐々木」 「ん」 お前は俺の背中にハンコでも押したいのか、と思えるくらいにまっすぐに押し付けていた顔を 佐々木は一旦引き剥がすと、ぺたりと頬を寄せ直す。 寄せ直したのだ、ということくらい俺にも解る。 そのくらいの感性は俺にもあるのさ。 「さ、行こうよキョン」 「おうとも」 突発的に湧いた非日常の果てにたどり着いたにしてはいささか平凡すぎる日常かもしれないが 思えば佐々木とはいつだってそうだったし、俺はそんな日々も嫌いじゃあなかった。 だから、平凡な日々だってコイツと一緒なら悪くない。 ああ、まったく悪くないね。 そんなことを考えながら、俺はペダルを踏み切った。 背中でくつくつと笑う声を引き連れて、な。 )終わり 『Part70-x「どうかしたか佐々木?」』
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522 この名無しがすごい! sage 2010/11/23(火) 19 10 44 ID HBAaRY85 佐々木さんの得意な料理・苦手な料理は? 523 この名無しがすごい! sage 2010/11/24(水) 06 29 47 ID 1fw6ygyO 佐々木さんは和食が得意そう 525 この名無しがすごい! sage 2010/11/24(水) 15 07 52 ID z8AYwdNz 522 野菜炒めに1票 526 この名無しがすごい! sage 2010/11/24(水) 20 57 49 ID +kGxDYjX 「ふむ、僕の得意料理か。得意と言えるかどうかの判断はいずれキミに委ねることになるだろうが、比較的蒸し料理を作ることが多いかな。どうだねキョン、理由がわかるかい?」 質問に質問で返すんじゃありません!と言いたいところだが、一応俺の質問には回答してるんだよな。 えーと、佐々木といえば。知性と理性を以て成る、古泉曰く10人中8人が一見して目を引かれる美少女。が、どれほど優れた外見的特徴といえ、この際考慮する必要は無い。 てことで内面。知性と理性を以て成る、故に佐々木の行動は基本として論理で考え、原則として合理性を追求し、必然的に無駄は省く。……無駄は省く!?そうか! 「分かったぞ佐々木、お前が蒸し料理を好む理由、それは蒸し上がるまでの時間を有効利用できるからだ。 蒸し物なら、煮物のように灰汁取りしたり焦げ付かないように掻き混ぜたりしなくていいし、炒め物のように絶えず鍋やフライパンを揺すったりする必要が無い。どうだ?」 「概ね正解。蒸し時間に注目したのはさすがだよ。ただし、空き時間が作れるだけじゃない。蒸し料理は食材によって蒸し上がるまでの時間が違うから、それを計算して蒸籠を重ねてゆくのがまた楽しいんだ。 また、調理に油を使わないし、肉類から余分な油を落とすことでカロリーも抑えることができるのもポイントだね」 「なるほどな。」だが、カロリーを落とし過ぎるのも考えものだぞ、という呟きは、そっと心の内に留めておくことにした。佐々木が俺の視線に気付いていないことを祈るばかりだ。
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最近、二つばかりやってみたことがあるんだ。 結果から言えば一つは正解。二つ目はまだ結果が出ていないから保留としておきたい。 「おい佐々木」 「くく、なんだいキョン」 以前よりも。 「いや。多分気のせいだ。すまんな」 「そうかい?」 正確に言えば、九月、プールの最終日だったかな? その頃に発生したとあるアクシデント以降だね。 僕は少しだけあからさまになった。 少しだけ、あからさまに彼を見つめるようになった。 以前のようにそしらぬ顔で見るのではなく、かといって別に熱視線と言うほどではない。 ただ、キミを見ているという事を僕は隠さなくなった。 ただそれだけの話だ。 どうもね。僕はキミが視界にいるという事が思ったよりも心嬉しいらしい。 いつものように「笑顔を作っている」つもりが、気がついたら、ただ笑っている自分に気付くようになったんだ。 だから、それをあからさまにしてみた。 それだけの話さ。 それからしばらく。 キミの耳は少しだけ紅潮するようになった。 だから、……だからというには理論的ではないかもしれないけれど。 だから、僕は進路に「北高」と書いた。 これが二つ目のトライだ。 もう少しでいい。 キミが僕の視界に居てくれると嬉しい。 その事がキミに伝わるのが、キミの体温に影響を与えているのが、キミの思考の中に私がいるのが、ほんの少しだけ嬉しいように思えたから。 『佐々木、お前、その変な喋りを止めたらさぞモテるだろうに』 なんて言いながら、その変な喋りに付き合ってくれるキミが好ましいと思えたから。 だから進路に北高と書いた。 悪いね。それだけのお話なんだ。 )涼宮ハルヒの憂鬱に続かない。
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「しかし、暇だね」 「まあ、確かにな」 「少し計算違いだったよ。新生文芸部の文芸誌があんなに早く売れてしまうとはね」 今日からいよいよ北高の学園祭が始まった。 新生文芸部がとりあえずの目標として掲げた、学園祭での文芸誌の発行。 部員全員によるチェックを終えて、いよいよお披露目となった文芸誌は、漫画研究会やコンピ研の作品 とともに展示・販売されたのだが、販売から1時間も経たないうちに印刷した150部(一冊は図書室に寄贈 した)すべてさばけてしまった。 売り子で俺と佐々木は座っていたのだが、前評判が良かったらしく、次々と売れていった。文芸部だけ じゃなく、SOS団も宣伝に協力してくれたおかげかもしれない。涼宮と古泉には、後で礼を言っておこう。 さて、予定よりはるかに早く文芸部誌を売り切った俺と佐々木は、とりあえず部室に戻った。 既に校内はお祭りムードの熱気に包まれ大賑わいであるが、文化棟のここは会場として使われておらず、 熱気もここまでは届いていない。各文化系クラブは、各展示会場に出っ張らって、ここにほとんど人はい ない。 文芸部の部長・長門優希は自分のクラスの出し物に参加しており、朝倉は俺たちのクラスの委員長として 、俺たちのクラスが行っている出し物の運営と準備にあたっている。国木田は鶴屋さんの手伝いに行ってお り、こちらに来れる状態でない。 いま、文芸部にいるのは俺と佐々木の二人だけなのだ。 「お茶でも飲むか」 俺は急須にお湯を入れ、少しおいてから煎茶の葉を沈めてしばらく置く。そして湯呑に注ぐ。 「いい香りだ。色合いもいいね」 これは朝比奈さんに教わった美味しい煎茶の入れ方である。朝比奈さんはついでに茶葉を分けてくれたの だが、これが実にいい茶葉だった。 「お菓子を持ってきているんだ、キョン、食べるかい?」 ありがたくいただこう。 「しかし、キョン。君とここにいて話しているのも悪くはないが、せっかくの学園祭だ。楽しまなければ もったいない気がする。二人でどこか見て回ろうか」 確かに佐々木の言うとおりだ。北高の生徒として、楽しむのも大事だな。 「そういえば、涼宮さんが九組でやっている出し物に僕たちを招待してくれていたんだ」 なにをやるつもりだ、あいつらのクラスは。 「『お客も店員もみんなでコスプレ喫茶』とか言っていたけど。涼宮さんと古泉君のアイデアらしい」 ・・・・・・何考えているんだ。ん、そういえば、あいつが監督した例の、原作俺「SOS探偵団」はどこで上映 するつもりだ? 「映画研究部の作品と入れ替え制で、視聴覚教室で上映するそうだよ。自分がそれに出演しているのは 少し気恥ずかしいけどね」 それも見に行かなきゃならないな。 とりあえず、俺達は部室を出て、みんながいるところへ向かうことにした。 「お~い、キョン」 俺の後ろから大声で呼ぶのは、聞き間違えるわけがない、谷口である。 振り返ると、奴は一人ではなかった。 「お久しぶりです」 夏休みの旅行先で、偶然出会った谷口から「彼女」と紹介された美女――周防九曜がそこにいた。光陽女学院の制服 に身を包み、長い髪をなびかせている。 「谷口君に招待されたので友達を一緒に連れて来ました」 そうは言うものの、そこにいるのは九曜一人である。友達とやらは何処へいったんだ? 「何かこの学校に知り合いがいるらしくて、挨拶してくるとか言っていました。最近うちの学校に転校してきたのです けど、たまたま北高に知り合いがいることを知って喜んでました」 偶然とはすごいものだ。その友達とやらもさぞかし喜んでいるだろう。 九曜を案内すると言う谷口と別れ、俺と佐々木は、学園祭のパンフレットを見ながら、何処を廻ろうかと考えていた。 「鶴屋さん達のクラスにでもいってみるか」 国木田が手伝いにいっているのだが、何をやっているのかはわからなかった。案内をみると「甘味茶屋・野点」となっ ていた。 「茶道をとりいれた和風カフェてところかな」 とりあえず行ってみるとしよう。 「やあやあ、キョン君に佐々っち、よくきたっさ!」 笑顔で俺達を迎えた鶴屋さんの姿に、俺達は唖然とする。 派手さは無いものの、しっとりと落ち着いた和の装い。家紋付きの着物姿は、優雅さを感じさせる。 「いらっしゃい、キョン、佐々木さん」 鶴屋さんの横に並んだ 国木田の装いも紬仕立ての紺色の着物で、二人の姿はまるで名家の若旦那と女将さん である。七夕の時といい、このコスプレコンビはとことん凝るようだ。 「二名様ご案内~」 教室の中は見事な茶室と化していた。 「いらっしゃい、キョン君、佐々木さん」 あでやかな着物姿の天使は、言うまでもない朝比奈さんである。他にも着物姿の生徒が何人かいた。 「皆鶴屋さんが用意してくれたんだ」 国木田の言葉に、俺は唸った。さすがは資産家。桁がちがうわな。 佐々木と並んで正座して座り、朝比奈さんが点てた抹茶を作法に従い、静かに頂く。 「美味しい」 苦みは少なく、お茶の風味がよく味わえる。添えられた柿の干菓子は程良い甘さで、この席に相応しい。 「結構なお手前でした」 俺と佐々木は揃って、頭を下げて礼を述べた。 鶴屋さんのクラスをでて、今度は長門のクラスへ向かうことにした。 「それにしても、国木田君と鶴屋さんは益々仲が良くなっているようだね」 うむ。何かあれば、鶴屋さんは国木田をご指名のようだからな。単なる先輩後輩の中じゃない様な気がするな。 そんなことを俺達が喋っていると、またしても後ろから声を掛けられた。 「あの、すいません」 声をかけて来たのは、俺達と同じぐらいの、光陽女学園の制服を着た女生徒だった。 「すいません、人を探しているんですけど」 その言葉で、俺はもしや、と思った。 谷口の彼女――九曜が言っていた、転校してきた友達とはこの女生徒のことだろう。 その女生徒の口から出た名前に、俺は少なからず驚いた。 「古泉一樹さんのクラスはどこだかご存じありませんか?」 ツインテールに結ばれた女生徒の髪の毛が揺れていた。
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中学三年の事だった。俺は自慢するほど頭は良くはなかった。流石にクラスでも下から数えた方が早い。 その結果の所為で母親から無理矢理塾に行かされるはめになったのだ。まったくやれやれだね… 母は将来の為に必ず役に立つとは言っていたが、はっきり言って傍迷惑この上ない。 確かに勉強はあまり出来ないが、俺としては普通の学校に行き就職、結婚と波乱が無く悠々とした人生を送りたいね。 母親の言う通りに進学校に行っても落ちこぼれて留年して退学、ニートになる可能性が高かったと思う。 しかし俺のクラスのある友人のお陰でなんとか勉強にもついていけるようになりなっていった。 そして、ある夏の日にそいつと肉体関係まで発展してしまったのだ。それ以来二人きりになるとお互いに身体を求めてしまう 勉強にも身が入らなくなってしまっていたのだ。今ベットであいつと重なりながら寝ている。なんという可愛い寝顔なのだろうか… たぶん近い将来こいつと一緒に居る予感がする。 実際思うのだが俺みたいな普通の男で良かったのだろうか? もっと格好良く勉強が出来る男が居るだろう?そう言うとあいつは笑いながら、 『じゃあ、キミは好きになった人って金持ちや容姿で選ぶのかい?』 ああ…まったくこいつには適わないね。